一度無実の罪を着せられて「法的に罰せられたもの」が、一転無実となる事。
法的には当たり前のようにそうですけど、現実社会においては「罪もないのに罪を訴えられて、社会的に地位を貶められること」は既に罰の行為に当たりますよね。
だから裁判所から何らかの法的処置が科せられずとも、マスコミなどに晒されてあたかも罪人のように扱われる事態に至った人が、法的に無実であると裁かれた場合も、やっぱり「冤罪」なんですよね。
ここら辺、小難しいことばかり考えていると、世間の考え方とずれが生じる。どうやら今の法務大臣にもそう言う所があるみたいだなあ…
頭が良い人に限って陥りやすいドグマですよね。
どうしてこういうことが起こるかというと、法律上の位相と実社会の位相がずれているからであり、社会学的観点で見ると交わっているこの二つが、法律だけを扱っていると「当然ずれている」という結論に達してしまうからなのですが。
結果として「何言ってんのおまえ?」と素人に突っ込まれるのが痛いところです。
これって言って見れば、語学学校に10年通って「先生の喋る英語は分かるけど、アメリカに言ったら喋れない。なぜ?」と言っているのとあまり変わりないですから。いや、この場合、ただの人見知りの可能性もありますが(で、これ自体ぼくは悪いと思わない。人見知りは本来人に対して警戒心が強いから起こる行動であり、実はこれによってトラブルを回避できることは多々ある)。
法的にはどうなのか知りませんが、公文書に「冤罪」と書かれることは、社会学的にはやっぱり「当然」なのですけど(痴漢の冤罪を考えたらすぐ分かりますよね。裁判所に持って行かれただけでクビになった人が沢山いるわけですし)、この法務大臣も自分の畑と擁護が違うからと言って他人の畑のにんじんをボロクソに言ったらそりゃ叩かれるわけですよ。
こんなの、自民党も民主党もないですな。その人の資質ですから。
思うのですが、これも「ゆとりグループ」ですよねえ…専門しか知らない、という人はどの年代にいてもやっぱり「ゆとりグループ」にカテゴライズされちゃうものだよな。
坂本竜馬には「小僧」って奴だな。
西日本で良く誰に対しても相手が年上であっても「このガキ」と言いますが、気分は似ているな、と思います。あの辺の歴史を見ると「年上を敬うのが日本の礼儀」というのが嘘だということがよくわかるのでそういう意味でも「竜馬がゆく」はぜひ読んでほしい。
いや、これは別に年上を敬わんでよろしい、という意味ではないですよ?
ただ、そういう礼儀は朱子学から来たものであって儒教から派生したものであったとしても、「項羽と劉邦」の時代までさかのぼれば怪しいものだった、ということは知っておくべきだ、ということです。それを知ったうえでその選択をするのはそれはそれでありだと思いますけど。
でも、そこに心がこもっていないのならばそんなものはゴミですね。それは竜馬でなくても言うところだろう。
つまり法律学上は村木さんは冤罪ではないのだろうけど、社会学的には村木さんは立派に冤罪です。
公文書が省によって違うとはいえ、問題が社会問題まで発展した以上、社会学上冤罪である限り、冤罪と呼ばれるのが適切だと思いますね。
ああいやだ、こういう議論。頭がいい人に限って屁理屈をこねないと理解しないものだよなあ…もうちょっと自分の頭に自信のない正常な人たち(そう、当たり前ですが、自分は頭が悪いと思っている人のほうが正常です。)だったら「バカじゃね?お前」といえば理解してくれるものですが…
多分この人、一生自分は正しいと思っているだろうし…だから小説家のネタにはなりそうですけどね。「変わることを拒むゆえに滅ぶもの」の典型を行っちゃってるからなあ…(彼が滅ぶと決まったわけではありませんが)、悪役にはしやすい発言ですよね。
一言でいうと「迂闊」なんでしょうね。
ん?なんだ、そこで括ると僕とあんまり変わらないじゃないか。
言葉尻の揚げ足を取るのが現代社会の政争の基本ですが(こんなこと書かれている時点でもうだめなのだが)どうにかならないんですかね?でも攻撃せざるを得ないよなあ…だって、先に揚げ足を取りに行ったのは彼のほうですから。うっちゃられても文句は言えない。
もっと真正面から角力を取ってほしいですねえ…