では延々と説明せずにケフィアヨーグルトと全粒粉と塩の生活の話をしろという話もなくはないですが。
しかし。
高雄病院十箇条は「それだけだとつまんないじゃん!」という人が、それではそれ以外に何を食べても害は無いのか、と言う事を思い出すために必須なのです。
というか、ほとんど全員がそう言うでしょう。ぼくもケフィアとパンだけで生活しろと言われると、ちょっと考えます。出来なくはないですが。
要は酵母菌と乳酸菌をふんだんに取って未精製の炭水化物を食べていればその人は健康を保つ事が出来る。では、生活に潤いを与えるためにはどの様な食生活をすれば良いか。
こう考えれば良いのだと思う。
ケフィアと全粒粉のパンもしくは玄米だけだと確実に精神が荒むので、豊かにしていく方法を考えるのに高雄病院十箇条は不可欠であると考えます。
俺はアレルギーじゃないから関係ないね!という人も、例えば甘い物を食べたら眠くなるとかあります?それって実は血糖値が急激に上がっているからなんですよ?
要はものすごくぶっちゃけると「食後血糖値が180を超えないのならば何を食べても良い」と言う事になります。市販のお菓子を食べるとほぼ間違いなくこれを超してしまうんですよ。ブドウ糖は確かに脳にとって非常に必要な物ですが、食後血糖値が180を超えるとブドウ糖の有用な部分より害の方が影響を及ぼしてしまうんです。眠くなるようなお菓子は食べてはいけません。ブドウ糖を取りつつ眠くならない。これがマストです。
馬車馬のように働く自分を夢見ている人は、一度市販のお菓子を諦めてみることをお勧めします。まだ自分できび砂糖を買ってきてコーヒー入れて混ぜて飲む方が良いです。
砂糖がダメなわけではなく、白砂糖、グラニューがダメなだけなので、きび砂糖を常に持ち歩くようにしておけば、コーヒーによるリフレッシュと加糖という意味ではなんの問題もなくなります。ぼくはコーヒーはブラックが好きなのでそんな事はしませんが。
「ごちそうさん」を見ている人はみんな知っていますが、戦中の日本人の生活ってこの「高雄病院十箇条」「乳酸菌と酵母菌まみれの生活」そのものだったんですよ。決して食べていたものそのものが悪かったわけではないのです。戦後すぐの頃日本人がみんな粘り強くて力強かったのも、こうした食事のお陰だったのです。
かつては「粗食」と呼ばれていたこの食事、「酵母菌と乳酸菌たっぷりの食事」と置き換えることが必要に迫られています。むしろ現代人が滋養たっぷりと思っていた食事の方が「粗食」であることに、こうした食事に切り替えたときに気が付かされます。
今、トーマス・マンのブッデンブローク家の人々を読んでいますが、ある子どもが「滋養たっぷりの食事をしているはずなのにどんどんやせ衰えていくのは不思議な光景だった」とあり、主人公であるトーニは黒パン(つまり全粒粉のパン)ばかり食べていてそれで居ていたって健康なのですが、つまり20世紀初頭において19世紀を俯瞰するとき、そのような現象は既に著しく散見されていたにもかかわらず、その原因が分からないまま21世紀に入り、欧米に於いては既に精製炭水化物の危険性が叫ばれているにもかかわらず、日本に於いてその情報はほぼ皆無であるという現状がここにあるわけです。
クラッカーを買う人は分かると思いますが、全粒粉が主流になって来ています。おいしいから、と言うのもありますが、精製されたものがより太り、健康に悪く、糖尿病のリスクを明らかに増やすことが医学的に実証されているからです。
同じ事が白米でもデータとして出ているため、和食ブームと言いながら、その実避けている人は凄く多いのです。寿司がダメだと言う事はこの10年くらいアメリカで叫ばれ続けています。現状、マックと同じ状態で、中毒状態の人が辞められないで食べ続けると言う事が報告され続けています。
つまり白米は、いつの間にか日本人の心と言う事になっていますが、所が日本人が白米を全員が食べられるようになったのは、戦後からなんですよ。たかだか70年足らずなのです。それまでは大規模な施設で精米をする事が可能になったと言っても、コメが割れるなどの問題はそこかしこであり、現代のような洗練されたものになるまでにはつい最近まで時間が必要だった。
で、白米を全国民が毎日大量に食べるようになった頃から、日本では花粉症が大流行を始める。良く「スギ花粉が」と言いますが、昔の人はより山の近くにいてありとあらゆる花粉で空が黄色くなるような状態のなかでもアレルギー無しで生きていたのです。
どうしてか?みんな玄米と味噌汁と漬け物を食べていたから。今はカルピスとかがカプセルにして乳酸菌や酵母菌を売ってますが、あんなもの別にカプセルで買わないでも、自然に味噌や漬け物の中にそうしたものがきちんと含まれている時代がつい最近まであったのです。味噌から酵母菌が無くなったのは味噌の量り売りが消えてスーパーで大量に出回るようになった70年代。これも花粉症の大流行と一致しています。答えは明白なのですよ。我々は先祖が大事にしていたものを壊した時期に、その報いを受けているのです。スーパーで山積みされている通気口の空いていない味噌は、全部酵母菌が死んでいる。なんの力もない。だから食べてもありがたくない。故に近年味噌汁を食べる人が激減している。
それは正しい。なぜならば酵母菌が死んでいる味噌など、味噌ではないからだ。
いろいろ考えて見たら当たり前なんですよね。400年前は特別な日にしか口にする事がなかった獣の肉を、毎日のように食べている現代が異常なんですよ。かと言って「昔に戻れ」というのではない。
これからは「高雄病院十箇条に即した酵母菌と乳酸菌に溢れる食生活」を提唱します。
戦後の頃と比べて日本人は弱くなったと言う感想を良くおじいさんの世代から聞きましたが、それは事実だったのだと実感しますね。だって、そう言う生活をしただけで、少なくとも自分の集中力は以前より遙かに高くなっているのですから。