地力が違った、と初めて思える優勝でしたね。今大会は、明らかに最初から最後まで彼が一番強かった。
正直、今大会の準々決勝での戦いの後のコメントを聞いて、確実に彼の中で変わったものがあるな、と思いました。
曰く「凄い試合だった」
今まで、自分の試合に関してこれほど客観的なセリフを残したことは一回もなかった。それが今回は3回戦でそのようなことばが出て来た。これは違うな、と思ったら準決勝も楽々と勝ち、今日も第2セットに1ブレークされて、今までだったらこのセットを取られてもおかしくなかったのに、相手が使ってたドロップショットを逆手にとって、自分も甘めのドロップショットで誘い出して、返してきた球を二発連続で予測してパッシングショットを打っていた。第2セット、ブレークバックをする前のサービスゲームでしたが、あのサービスゲームで完全に流れが錦織に傾いたと感じました。
格が違う。
今まで優勝は何度もしていた彼ですが、見ててそう思ったのは初めてです。
これは今後、全仏に限らず期待できそうですね。今日も特にクレーのための戦いをしている、と言う風には感じなかった。むしろハードコートと普通の真っ向勝負の方が多かったような気がする。
バックハンドのクロス、正直見たこともないような軌道(解説者の人は彼特有のジャンピング、と言ってたけれど、あんな軌道は見たこと無いなあ・・・)を2度も見ました。彼スペシャルのショットと言っても良いンじゃないですかね・・・あれはクレーでは取るのは誰でも難しいと思う・・・
今大会を通じて、体が凄く落ち着いていたように感じます。心臓の高鳴りはあっても、それが挙動に出ることがほとんど無い、そんな感じで、淡々とプレーし続けていた姿が印象的でした。あれは、ランクが低い人だと徐々に気圧されていくのは仕方がないことだと思いました。
うーん・・・彼のテニスで「王者のテニス」を感じる事になるとは・・・いやはや、かれこれ7年くらい見ていると思うのですが、軽い衝撃を受けてますね・・・今やまさに、ランクの通りの選手になっていると思います。
成績は已にそうなのですが、彼は押しも押されぬトップ5の一角に確実に食い込むこととなりそうです。錦織の試合で、「どうやったら錦織を倒せるか」と考えたのは初めてでした。第2セット4-4となった時点で、あ、これ、アンドゥハールが自滅しちゃうな、と思ったらその通りになった。
いやはや、間違ってテレビをつけてしまったなあ・・・良い時間だったが、ねられるのか僕は・・・?そりゃ「もう試合が終わったかな?結果はどこだろう?」とずっと探しては居ましたが・・・
今、なぜかシャンパンファイトみたいなことやってますね・・・フレジネですか。カバ社だっけ?スポンサーみたいですね。
二人とも良い笑顔です。このアンドゥハールという選手も出し切った上での試合結果だから、とりあえずは満足なのでしょうね。そして彼も今後上に来るんじゃないかと、そう思わせる戦いぶりでした。
いやいや、本当に楽しみなことになってきたなあ・・・まさか「錦織を倒せるのは誰か」という風に見ることが出来る次元まで来るとは・・・こうなってくると本当に見るのが楽しくなってきますね。
いよいよ錦織の試合を観るためだけにWOWOWに入ってもいいかも知れない・・・そう思わせるレベルでした。