子供達にはこういう話をしなくてはいけないのだが、どうも学校教育では間に合わない。
紙の繊維は鋼鉄の5倍の強度を持っている。巨大な植物が神様を思い出させるのは、その巨体にかかる重力に逆らってそこに立っているからだ。考えてみると、鋼鉄の板をそこに立てておいたとしても、おそらく木よりも先に朽ちてしまうだろうことは想像がつく。つまり、植物の繊維が「結合」できた場合、そこにはとんでもない抵抗力が生まれるのだ。
日本の昔の家には必ず「大黒柱」が存在した。これらはどれも100年以上は生きた木であり、そこに構成された「硬質の化学式」は我々の目に見えずともその力をわれわれに大いに感じさせることができた。大黒柱が神格化したのもそれゆえである。
ところが。
現在の技術において20ナノメートルのレベルで結合されるセルロースは、何と鋼鉄よりも硬く、鋼鉄よりも20パーセントも軽いのです。
まさに夢の技術。この技術を使うと古典的な日本家屋を新しい形で提供することすら可能になります。日本家屋の近代における最大の弱点は、大黒柱の強度だったのですから。大量生産につながれば安価で質の高い日本家屋を提供することも可能になると思われます。
現在日本の会社(どこの会社かが聞き取れないんだよなあ・・・言っていないのかもしれない。フランス人め)がこれを使って車の開発をしているようなのです。
個人的には同じもので電車を作れば良いのではないかと思うのですが。少なくとも欧米においては鉄道に革命をもたらすのは間違いのない素材。
こうした可能性を秘めたものを開発している日本の中小企業は、まだまだ世界に羽ばたく力を持っていますね。計量化することによりガソリンの使用量も大幅に減るでしょう。
ただ、鋼鉄の生産ラインには大打撃だから報道されていない、というのは可能性としてはありますね。
文科省も、本当に子供に夢を、いや大人に夢を見させたいと思っているのなら、こういう技術革新の話は大々的にマスコミでせえよ、と思います。
なによりも開発しているのが日本の会社なのに、なんで報道しているのがフランスのマスコミなんだよ?
理論上可能とされていたことがこうやって目に見えるところまで来ると、本当にわくわくしますね。