リッピが否定したということは、あるということ。
イタリア人のこの語法を決して勘違いしてはいけない。あくまで「予定調和」を求めながらも最悪を懸念するのがイタリア人だ。
日本人の落書きを「あり得ない」といったのは、あくまで学生やクビになった先生に同情したからであって、彼らは日本人がそういう民族であることを前々から知っている。ただ、すんなり認めたら馬鹿みたいだからしない。彼らの中ではそういうことになっている。
最初は、慣れないんだよね。
マンチーニのクビも、シーズン途中からはっきりと決まっていた。自分から辞める、といった時点で彼のインテルでの監督人生はジ・エンド。そのことを彼がわかっていなかったわけも無い。
「それが実現したらすごい、でもそれは実現しないだろう」
こういっておけば少なくともその人がそれを期待していることは伝わる。
面倒くさいしゃべり方をする国民です。
少なくとも、多くの日本人が思っているような、単純で明快な国民では決して無い。その話法は、トルコ人にも似て、本当に大事な言葉は、最後まで発音されない。
態度は、すごく分かりやすいんですけどねえ?言葉だけだと本当に誤解が生まれる。基本的に言っていることとほしいことが逆と思っておけば、大体間違いが無い。
それが、イタリア。
だから、イタリア人があの落書きを不愉快だと思っていないとは、間違っても思わないことだ。落書きが多くあったとしても、自分たちの言葉(つまりアルファベット)以外の言葉が書かれていることは、彼らも不快だと思っている部分があることを、忘れてはならない。