経ったんですね。
NHKの検証番組を見ていると、問題は全体に蔓延していて、どこの国も鉄道は大変なことになっているなあ、と思う。
日本の場合、首都圏において公共機関がすさまじく発達しているが、バスであろうが鉄道であろうが操っているのは人間なのだ。
ヨーロッパ人が初めて日本に来ると、電車の数がものすごいのにまず驚き、それらが網の目のように走っていることに驚き、東京に1200万人も住んでいることに驚き、それらがスラムを成していないことに驚異の目を見張る。
しかし、それは鉄道とバスあってこそである。
イタリアではいま一ヶ月に一回は大規模なストライキが起こっている。それが何かを解決しているかと言えばそうでもない。
公共機関でも人員削減はどこの国も避けられず、「合理化」の掛け声の下必要な人間をどんどん削っていったツケはどの国にも来ている。まあ、慰めと言えばそれが起こっている先進国は決して日本だけではない、と言うことぐらいか。
これだけの人口をかかえた日本が今疲弊にあえいでいる最大の原因は高齢化だ。しかし、街を作った時点で僕らが年を取ることまでは考えていなかったのだなあ、と言うことは今の現状を見ていると良く分かる。
古代ギリシャ、たとえばスパルタが衰退したのは人口減による都市の崩壊だった。昔このことを読んだときに、それはつまり食糧難その他の原因もあったのかと思っていたが、つまり文化が成熟しきると人口は減る。すべての先進国でこの状況が起こっているのだから、そろそろ認めてもいい頃だろう。