刺激的な題ですね。訳したタカ大丸という人がみんながどの辺に飛びつくかを考えたのかな?
むしろ自分にとって外国語(現代が英語なのでセルビア語ではなかったのでは)で読んだこの本がどの様な意味を持つかを素直に題にしたのでしょうね。思いがこもっていて、それ故にこちらの気を惹きます。
元の題は「Serve to win/The 14-Day Gluten-free Plan for Physical and Mental Excellence」なのですが。つまり「勝利へのサーブ/物理的かつ精神的超越のための14日間のグルテンフリー計画」とでも訳しておきましょうか。
突然ですがぼくはジョコビッチのファンです。正確には2012年の全豪オープンでナダルとの戦いを制した時からファンになりました。応援している、と言う意味では錦織くんの方が遙かに長いですが、誰のファンかと聞かれれば迷い無くジョコビッチだと答えます。
彼がやたら痩せているのはそのころから凄く目に付いていました。と言うかその2年くらい前から活躍しているのは知っていたのですが、その大会で見る彼は今までより明らかにシャープになっていました。
その秘密がなんなのか、ずーっと気になっていたのです。
ぼく個人としては、思い立つことがあり、2013年の2月から糖質制限を始め、冬くらいまでだったかな、そこらから高雄病院10箇条に切り替えたんだっけ。糖質制限は確かに精神に凄く良いのですが、どうしてもパワー切れになるのです。その後、タイガーウッズが糖質制限を取り入れたことを知り狂喜していたのですが、その後の彼の成績は皆さん知っての通り。彼もやはりエネルギー切れという問題を抱えていたようです。マスターズで見た時は以前のようにガリガリになってなかったので、彼もほかの方法を取り始めていると感じます。
2013年のメフィストーフェレをやっていた時、実は練習中に2回程足が完全に攣りまして。筋肉に栄養が行かなかった~なんですよね。本番はどうにか乗り切りましたが、オペラが5分で終わるのならばなんの問題もなかった(故に疑う。糖尿病患者である羽生くんは、糖質制限をやっていたのではないかと。オリンピックの時の異様な汗のかきかたをみて「あー、メフィストーフェレの時もぼくも他の人の5倍汗を掻いていたなあ」と思ったものでした)のですが。
その問題の解消の仕方が分からなかったので、元々高雄病院10箇条はアトピー対策であることもあり、こちらに切り替えました。
で、2014年の5月にアレルギーチェックをして、めんどくささも手伝って制限食からアレルギーフリー食に切り替えてたのだけれど、一応玄米と全粒粉の食事を続けていたのが12月まで。
そこから一気に堕落が起こってしまい、食事に白米が入るようになり(炊飯器って楽ですからね!)、今年の3月くらいに大きく体調を崩してしまいました。何がまずいって、崩れていること自体に無頓着なんですよね。みんなの前で歌っていないと、少々体調悪くても気にならないんですよこれが。
そして、この2かげつほど、体調を崩してたからブログに書くことそのものを思いつかなかったんですよね。それでも頑張って描いている自分で読み返してみて、体調が悪いときには根拠のないことをウダウダと書き連ねていていささか自分でも辟易します。消しません。全部ぼくですから。日記というものは悪い部分も含めて日記なのです。
それは良いのですが。
たまたま母がジョコビッチのこの本が新聞の広告に載っているのを見つけて、iPadのFacetimeデカ言わしているときに話題に上ったのです。
飛びつきましたね。
なにせかれこれ3年以上ファンだったので。
で、この本で知ったのですよ。グルテンフリーの食事って、今ぼくがやっている食事とほとんど変わらない、と言う事を。
ちょっと説明が乱暴かも知れません。実際の所、ぼくのなかで疑いが未だに色濃く残るのが「イースト菌」でして、結局これの正体がなんなのか、いまいち摑めてないんですよね。つまり、「今やっている食事」の全貌は、実は完全にパズルのピースが揃ったわけではないのです。
それでも。答えに非常に近い、比較的安定するところが見つかったと言って良いと、はじめて言えるかも知れません。今回は「ワオ!」がないのです。ここ凄く大事です。ジョコビッチも本書のなかで言ってます。「ワオ!」の後には必ず「ウッ!」が来ると。
以前、糖質制限をやっているときに「白米とアレルギー食品」という組み合わせでアレルギーが出るのは知っていました。なら「アレルギー食品」だけならどうか、と言うと、よく分からなかったんですよね。卵はこれほどアレルギーチェックが出ているにも関わらず、卵単独で食べている限りほとんど何も出ないんですよ。これは鉄板。そうでなければ糖質制限は続かなかった。
醤油に関しては「出る」とずっと思ってました。
チーズは「発酵食品(ぼくは「醸造用イースト」に引っかかっているので、一応問題視せざるを得なかった。炭水化物と一緒に食べると、と言うかチーズはパンと食べるものなので、当然の如く色々問題があり、食していなかった)、ですが、糖質制限をしているときは特に感じてなかったんですよ。特に糖質制限しているときは貴重なエネルギー源だったので、がばがば食べていましたが特に以上は感じていなかった。ただ、忘れてはいけないのは、そのとき一切炭水化物を糖分を取っていなかったこと。ここはとても大事。
で、彼の本を読んで、とりあえず、「小麦を抜いてみようかl」と言う気分になったわけです。
糖質制限におけるエネルギー切れは非常に怖い。特に昼間にそれが起こって、外を歩いていると朦朧としてくるので身の危険すら感じる。江部先生が大丈夫なのは、基本的に建物にすぐに入って仕事をすると言うこと、体を使い続ける仕事ではないと言う事、この二つが大きいのではと個人的に思っています。オペラの練習だと、ケトン体だけだと3時間くらいでどうしても限界が来る。大怪我になるから辞めた方が良いです。
ということで、玄米は確実にとっていますが、なるほど、小麦か。炭水化物を摂取するようになってから、そのことには一切頭が行かなかった。
そもそも今までそこに着眼したことは一切無かった。というか疑ったことすらない。
それどころか全粒粉のパンのGI値が72と、砂糖よりも14も高いと言う事実を知らずに食べていた(とは言ってもアレルギーチェックで製パン用イーストでバッチリ出ているので、この1年食しておりませんが)のには驚きました。これはちょっと情けない話です。江部先生の本を読んでいたのに、全く気が付かなかった。あれ?未精製の穀物・・・ああ、そうか、高雄病院十箇条自体が出来たのがかなり前だから、喩え全粒粉のパンに関するデータが30年前のものだとしても、繁栄されて無くてもおかしくはないのか。
そんな感じだから、ましてや「現代の小麦」そのものに問題があるなど、思ったこともなかった。
アホだから知らなかったのですが、以前「旧約聖書の種なしのパン」に挑戦したとき、使っていた小麦は現代の矮小小麦でした。本当は染色体14本の「ヒトツブコムギ」を使わないといけなかったようです。因みにこれ、一応ネットでクッキーが手に入ります。アホみたいに高いです。二箱で送料含めて4000円とかします。それでも売れるんでしょうね。
話を醤油に戻しましょう。
なるほど、醤油には小麦が入ってて、どうやらぼくはそれに反応したらしい。これで「納豆、味噌、醤油」にどうしてぼくが反応するのかが分かった訳ですよ。イースト菌自体は死滅しているのになんで体調が悪くなるのかと思っていたら、その中に含まれる小麦に反応していただけだったのです。
こうなってくると、発酵食品そのものが悪いと言う考えをいったん改めるべきなのかも知れない。醤油断ちをした時点で、チーズをかれこれ1年近く全く口にしていないので、それがどの様な影響をもたらすか、全く確認してないんですよね。こないだやった再検査では、乳製品は軒並み下がっていた。そしてその中にはカッテージチーズやチェダーチーズがしっかり含まれているのです。試してみないわけにもいかないですね。
「白米を食べた上で」発酵食品を食べると大抵おかしな事になるのは已に分かっているのです。しかし、ELISAのIgG検査はあまりに強烈であるため、一時盲信してしまいました。あれの見方にはそれなりの熟練が要ります。しかし大問題として、患者と協力してこの問題に取り組んでいるお医者さんが非常に少ないため、具体的なアドバイスというものがいまいち進んでいる感じがないのです。ぶっちゃけネットで他の人の意見を捜した方が早いくらい。
「血糖値が上がった状態でアレルギー食品を食べる」
これは最大のNGです。絶対にやってはいけないことでした。ここに立ち戻れたのは自分のなかでは大収穫でした。適当に説明すると、血糖値が急激に上がってカンジダが急増殖して暴れ出したところにアレルギー物質が放り込まれると、そのアレルギー物質が体の内側をどんどん傷つける、と言う事です。大体これであっていると思います。
因みにお医者さんに聞いても一人一人言う事が違います。江部さんの説明も面白いですし、あれで完璧に説明できるのですが、じゃあなぜぼくはイースト菌にも問題があるのか、と言う所が良く分からなくなるんですよね。ぶっちゃけ、彼の説明には一切そのことがありません。無くてもそれなりに治療出来るからなのは間違いないです。
そもそもいまEISAによってぼくのなかで問題とされているカンジダも、実体験として論拠が不十分です。菌そのものを体に入れるのが良くないのか。発酵食品そのものは良いと言うが、実際どの程度で何がオーケーなのか。少なくとも醤油味噌納豆がダメなのは全て小麦のせい(納豆を醤油なしで食べる人が居るだろうか?)であることは確認できた。
イースト菌についてはまだまだぼくのなかでは大きな謎が残る。とりあえずチーズは近日中に食べてみないといけない。
ジョコビッチの本に戻ると。
この本に関しては、この3年間知りたかった彼の食事の全てが明らかにされていて、非常に満足です。どうして彼があれほど凄いプレーヤーなのか、その核心に迫った話だと思います。正直この本は食事の話と言うよりもジョコビッチの自叙伝のようなものとぼくは捉えています。
そして、尊敬できる選手の自叙伝だからこそ、その内容に強く引かれるんだろうな、と。そして彼を形作っていると彼が確信している彼の食事に、強い興味を惹かれるわけです。
多分、訳者の人も同じような精神の流れを辿ったんじゃないかな。で、食事自体に強く興味を持つようになったわけだ。なにせ、ジョコビッチの人生を変えてしまった食事、自分の人生に影響を与えないなんて考えられない、と。これは憧れにも似ていますが、それもと違うような気もします。なにせ一回ケトン体生活を半年以上続けていた身としては、このグルテンフリーの食事によってもたらせる精神状態が「同じか、それ以上のもの」であると強く感じるのですから。
エネルギー不足の起こらない糖質制限と同効果の食事。それがグルテンフリー。
何はともあれ、現在5日間ほど小麦を生活の中から完全に無くした生活をしているわけです。この3ヶ月は高雄病院十箇条でもない、主食は白米と全粒粉のパスタという非常に中途半端な食事をしていたわけですが、やっぱり非常に良くなかったですね。日々愚鈍になると言うか、去年はこんなに花粉症も出なかったし、体の調子が悪くなると言うこともなかった。何かが間違っているのは分かっていた。
因みにコムギを辞めただけで、花粉症がぴたりと止まりました。ちょっとイヤになります。そんなにぼくとコムギは相性が悪いのでしょうか。
いずれにせよ、この2ヶ月の不調はなんのことは無い、白米と全粒粉のパスタが良くなかったわけです。主食がダメならそりゃダメですよね。ELISAは確実に指針を与えてくれますが、盲信してはいけないのです。アレルギーが出るとして、その主原因が何なのか、いまいち分かってない事はまだ多いのです。イースト菌の問題が強く示されていると言う事は、確実に糖分が体に悪さをする状態になっているから、血糖値を極力上げないようにする工夫は間違っていなかったのです。
非常に遠回りをしたような感じもありましたが、一人で試行錯誤をやって、結局今まで通った道を通らないとここに行き着かなかったと感じます。
強調したいことをここに一つ。
糖質制限をしたときにも感じたのですが、小麦製品を一切取らない事によって、頭が非常にクリアになるんですよね。この感覚自体は知っていたので、自分の調子をたぐり寄せるにはそれほど時間は掛かりませんでした。スポーツ選手の動きで言うと、この状態になったら反応速度が1000分の5秒上がるらしいのですが、むしろ実生活においての話で言うと「丁寧にやったら何でも出来るようになる」というのが感覚として近いと思います。
特に精神が粘り強くなるので、根気よく答えに向かって試行を繰り返すと言う事が出来るようになります。正直、ここ最近こうやって文章を練り込むと言う作業をやってなかった(若い時は出来たんですよね!若いってそれだけで凄いのです)のですが、この獲得した粘り強さは以前のそれと違い、熱に浮かされたそれではないので、自分としては心強い限りです。夜中に書き出すという間違い以外は、非常に満足しております。
ここまで分かったことまとめますと。
要は
1.小麦をとらない
2.アレルギー食品をとらない
3.血糖値が上がるものを取らない
この3つを実践するだけです。
彼が言うとおり14日間でこのプログラムを完全に実践できるか、と聞かれたら「ぼくが横にいれば」と言うくらいにしか言えないですね。これ、実際にプログラムを実践した人が横にいるか居ないかで、ずいぶん変わってくると思います。ぼくみたいに徒手空拳でやっていると、結局最短でも1年はかかると思います。ただ、頭がクリアになる、と言う点だけに絞るのならば14日どころか5日で来るでしょうね。
ハードルそのものは糖質制限と比べると遙かに低い。(とは言っても、糖質制限は結構醤油使うレシピが多いです。隠れ小麦に気が付かないと、効果がでない可能性は充分にあります。アレルギーの人はものすごく注意した方が良いです。セリアックでなくても、アレルギーの人は高確率で小麦に不耐症があります)
ビックリしたのは、血糖値の上昇を表すGI値が、砂糖よりも全粒粉のパンの方が高いこと。また、全粒粉のパスタは急激には上がらないものの、持続して血糖値を上げ続けるので、インシュリンがずーっと出てしまい極端に疲れやすくなるということ。
あと、訳者のひとが進めていた「コーヒーにココナッツオイルをたらす」これはぼくも強くお勧めします。砂糖の代わりと言うには味としては全く違うものですが、これ、確かに頭の持久力を飛躍的に上げます。感覚的に言うと、今まで7までしか行かなかったのが11から12くらいまで行く、という感じです。
ひとつ、夜に炭水化物をとるのはまずいな、と思っていたのが、ジョコビッチですらとってないと言う事を知ってしまい、スポーツ選手が要らないのならば年がら年中イスに座って作業ばっかりしている自分には余計に要らないよね、と反省した限りです。
それにしても、2年前の2月に始まって、ずいぶん長いこと食事のことを試行錯誤してきましたが、漸く答えがハッキリと見えて来たと感じています。徒手空拳で始まったぼくのアレルギー狂想曲も、2年という時間を経て漸く自分のルーチンを発見しつつあります。
因みに今のこの頭の状態、以前は手に入ったらラッキー、という感じでブログを書き殴っていたのですよ。こんなにローテンションで推敲を重ねている自分は生まれて初めてと言っても過言ではありません。ああしかし眠いけど。そろそろ限界が近い。
余談ですが、この本を読む事により、「いただきます」の意味について深く考えさせてもらいました。
さらに、2日で体重が2キロ落ちました。やっぱり、悪いものを食べていたのだな、と実感します。
似たような体の問題を抱える人の中に、彼のような超克者が居ることに、感謝。
いささかまとまりに欠けて読みにくいですが、さすがに頭が重たくなっている。今日はここで失礼。今後は朝に書くべきだな。夜はさすがに疲れる。大いに反省なのです。
またねー。