いつも思うんですけど、こういう風にひとつの出来事が他の出来事と深く関連がある場合、皆さんの意見が何に対して憤慨しているのかよく分からなくなりますよね。少なくとも東証が全面停止になったのは、ライブドアの事件とは離して考えられるべきことだ。
とりあえずインターネットで見たら60を越えたあたりの人たちから、「日本の信用が失墜する」という話が書いてあったんですが。
正直、11月の一時停止があった時点で、海外の投資家も「もう一度起こるかな」と思っていたはずなんですよ。新聞では連日、取引高が史上最高、という言葉を繰り返していたわけで、それは裏を返すと「塵も積もれば山となる」現象が起きていたということで、日本は大口の投資家ではなく超小口の個人投資家が何百万も居てそれらの人たちが宝くじのような感覚で株を買っていたところがあったので、市場が狼狽売りをする可能性が別にライブドア以外のことでも起こる可能性はあったのだ。
でも、冷静に見ている人たちは、日本の制度は「一回駄目に」ならないとよくならない、ということはよく知っているので、まあしばらくは中身のある鉄鋼関連株ぐらいで様子を見よう、という形で取引をしていたはず。
この事件で「日本の信用が失墜」する、と思っている人たちは、間違いなく自分たちの国の作り上げた制度を過大評価している。インターネットの小口取引を認めている時点で、それらの自称セミプロの人たちの狼狽売りに対応できるキャパシティを備えずに、暗黙の了解を壊し続けたライブドアに責任を全部転嫁していると、同じことがまた起こってしまう可能性がある。
ライブドアのことは引き金に過ぎない。東証のトップの人たちはこのことをよく考えないといけないと思うのです。