は?そんなのみんな知っているでしょ?と思ったら意外とみんな知らないのな・・・
就職できなかったからに決まってるじゃん?
今の子達は信じないけれど、僕らの世代だと比較的有名な銀行に入ったやつでもガラスの灰皿を投げつけられるということがあったぐらい、職場が荒れていました。
ほら「働きマン」でそうした上司を肯定するシーンがあるでしょ?ぼくは安野モヨコって絶対許せないのな。いくらなんでもガラスの灰皿で部下を殴りつけるのはやっぱり無しですよ。ぼくの友達、それで辞めたけど僕は彼が根性が無かったとは決して思わないね。
それでもどうにかなると派遣を続けてきた人たちが最近ワーキングプアになっているという話を漸く巷でも聞くようになりました。
遅いよ。もう間に合わない。彼らを救う手段はもう政策としては残ってない。
だから国会ではお茶を濁すじゃない?自民党でも民主党でも、会社に「30代を正社員で雇え」なんてプレッシャーは掛けられません。だから僕らの世代はどこにも投票しない人が多いのです。
ぼくはね、それは日本という国だから仕方が無いことだと思っているんですよ。
この国が不全であるのは何かといえば、少なくとも平均的な家庭を夢見ることは、今の30-34の人たちの多くに許されていないということ。そして緩やかにしかし確実に、社会はこの世代の多くの人を抹殺する事に無関心になる。
事実それはこのデータに対する「驚き」で表れている。こんなことは僕らの世代は誰でも知っている。知らないというやつは自分に嘘をついている。
「平均的に幸せな家庭の数を持続させる」事を政策の主眼においている日本のやり方の限界はここなんだよね。これを否定したら戦後日本の政策は全部否定なんだ。だから、無理なのは分かっている。
ここでおもしろい言葉があります。
ヴェトナムのことわざだそうです。「大使閣下の料理人」という漫画の中のワンシーン。
「上には政策あり、下には対策あり」
残念ながら僕らのストライフの本質はここにあるようだ。ぼくは自分に仕事が無い事を国のせいにするつもりなどサラサラ無い。
ぼくは友達からクズ呼ばわりされたことがある。
あのときにぼくは憤った。今思い出してみるとあれは純粋な殺意だったと思う。
うん。怖いよね。人間って、誰かを殺したいと思うほど憎くなってしまうときが、人によってはあるんだ。それが起こってしまった人は、それが自分に起こってしまった事を受け入れないと精神に破綻をきたしてしまう。
そしてぼくは3年後になってわかったんだ。
クズと呼ばれて怒るようなやつ本当にクズなんだ。
彼がぼくにどんな気持ちでその言葉を吐いたかなど知らない。彼はホームレスや生活保護費を受け取っている人間のことも同様に切り捨てていた。
今思い出してみるとつまり国のお偉いさんが言っている事をそのまま繰り返しているだけだったのだ。彼が一番なりたくないと思っていた人たちと同じ事を彼が言っていたのは人生の皮肉だ。
マイホームを建ててつつがない生活を送ることだけが人生だろうか?
結局僕らを振り回してきたこの幻想を否定するしか、30-34の仕事なしマン達には選択肢は無いのです。
それを「努力不足」と呼びたいのならそう呼んでくれ。
ぼくには僕の生活しか出来ない。そしてそれは、幸せなことですね。