当然。
しかし、これで薬物違反をした「前科」が消えるだけ、というのは本当に納得いかないね。それでもないよりはマシか。
事をここまでややこしくした鬼武チェアマンは、本当にリーダーシップが問われる人だ。この問題だけではなく、ありとあらゆる場面で中途半端。ファンが我那覇のために募った募金、我那覇が自費で負担した裁定料。すべてがJリーグ側から「言うこときかないやつはハブ」という無言の圧力であり、危険な兆候です。
もう、日本代表にも戻れないかね。寒い話だ。
とにかく、結果を出して、ほしいですね。
ガンバレ。
P.S CAS裁定、英文
47. Whilst the Panel might be minded to accept that in all the particular circumstances of this case, the intravenous infusion was a legitimate medical treatment for Mr. Ganaha within the meaning of the 2007 WADA Code the Panel notes that at the time the J League had not adopted those provisions of the WADA Code which related to sanctions.
つまりJリーグのドーピング基準が2007年当時WADAコードを基準に作られたものでなかった以上、この我那覇選手の事情においてはCASとしては我那覇選手への静脈注射は正当な医療行為であるとしか言えない。
ということです。早い話がJリーグのドーピング基準はWADAのそれとは違い、WADAとしてはこれは正当な医療行為だと言っています。
「誤訳」しようと思えばできますが(そしておそらく「エキスパート」と称する人の多くが「こう訳されてもおかしくない」とそこらじゅうで主張しているだろう)、ここまでの文脈を考えるとこう訳すのがまともな翻訳者です。
結局日本語とヨーロッパ言語のロジックの積み重ね方の違いからこうした行き違いが生まれ、70年ほど前に戦争がはじまったことを考えると、歴史は繰り返されても不思議ではないですね。こうした行き違いは、すべての言語とあり得ることだから。
Jリーグは「自分たちが正しい」と大声で主張し続けるだろう。声が大きい方が勝つと思っているから。そしてそれはあながち間違いとも言えないことが、何とも物悲しい。
たしかに、川崎としても、Jリーグのドーピング規定がWADA基準でなかったとしても、ごたごたを避けるために目を通しておくべきだったとは思う。
本質的な問題を口にするならば、「なぜ年間20試合以上場所を変えて国際試合を行うスポーツのドーピング基準が、日本という先進国において国際基準と同等たり得なかったのか」その不全を問うべきだと思うのですが。
その事実の方がよほど恥だと思う。
残念ながら今の日本の報道にはそこを問うだけの頭がないのか、そもそも考えたくもないのだろう。僕は後者だと思っている。
報道が完全にイエスマンになったらその国は終わりだ。とりあえずここまでの報道の歴史はそうだった。日本がその循環から抜けられるとは思えない。
がんばれよ、と言いたいですね。