なぜか見ております。
今まで一回も通してみたことがなかったのでどんな話かを全く知らなかったのですが、見ていると「山での実践的生活をお爺さんがハイジに教える話」だったんですねえ・・・大自然の中でのいろいろな出会いと別れ。
時代は…ありゃ、19世紀の真っ只中ですね。どおりで世界観がクラシックの時代に近いと感じるわけです。水道は通っていたけれども電球はまだなかったんだよね、この時代。全部ろうそくだよ。いえ、この作品でもそもそもろうそくすら出てこないのですが。生活がチーズ造りによる物々交換だけによって成り立っているわけですから、贅沢は全くできない。
かと言って生活が贅沢でないかというと、今最初の秋のシーンを見ているのですが、山にクリや山ブドウを拾いに行って食べているシーンなど、ある意味近代的な生活よりもよほどいろんなものに囲まれているかもしれない。あの辺は夏は良いんだよね。冬はものすごく寒いのは夏の時点で想像できます。これから厳しい冬を迎えるのか。
ほかの言語で見ているときに不思議は、完全にしゃべる言語でない限りなれるまでに20分かかることです。耳に入ってくる音が意味につながるまでに電気信号のような回路があるのに、その電源が入っていない。そんな感じ。
音楽でもあるんだよね。普段聞きなれない音楽を聴く時に耳慣れるためにそれぐらいの時間は要ると思う。これが音楽のジャンルなるものを作っている壁であり、興味がいろんなところに行く音楽家は必然的にジャンルを飛び越えるわけだ。
言ってみれば言葉をいろいろしゃべることができる人がいろんな世界を見るように。好奇心だけでは時間が足りない。見ただけでは分からないことはたくさんあるから。
観光客としてパックツアーで旅行するのが、テレビ画面ににおいと味をつけただけだということは、いくつかの国をその方法で旅した人はすぐに分かることでしょう。
あ、そういえば、このハイジは、ある意味スイスの人たちを直接テレビで撮るよりも、よほどその内側を見ることができる部分がある。
これ、高畑勲と宮崎駿とその仲間たちが作ったんだよねえ・・・驚くばかりの再現性。リアルを超えたリアリティー。ヨハンナ・スピリの原作が良いということもありますが、何を考えてこの作品を作ったのかは本当に謎なのです。
面白いからいいんですけれど。
よく知らない人に限ってこのアニメをヨーロッパ人が作ったものと信じていますが、それは当たり前のことのようにも思われます。なんで日本人がここまでのこだわりを持ってヨーロッパ人を描こうとしたのかは、本当に謎なのです。あ、繰り返してしまった。
明日早いから今日はこんなところで。お休みー。