資本主義経済を見直すんだってさ。
あなた、自分が選挙で勝った時の公約、こんなに簡単に捨てられるんだ。
状況をちゃんと見ているとしか言いようがなく、今までも十分おかしな奴だと思っていましたが、今回は本当に笑わせてくれました。ぼくはこんな彼が大好きです。
だいたい、フランスを知る人のうちにフランスが資本主義経済に移行すると聞いて?と思わなかった人など存在しない。あの国はセミ共産的、セミ資本主義的にバランスをとりながら生きながらえてきた国なのだから。今まであの国を支えてきた理念まで否定してほかの国に移行しなければならないように見えた一年前とは、まったくもって状況が異なる。
しかしまあ、本当に運が良かったよね。あと一年金融危機が遅かったら、サルコジは歴史に名を残す役立たずになっていたことだろう。ところが絶妙のタイミングの今回の恐慌で、彼はむしろ良い大統領として記憶されることになるかもしれない。
つまり、良い大統領なんてものはいない、ということなんだろうね。運がよくなければその場その場で適切な判断をしていてもダメな時はダメなわけだ。
それにしても、今回はフランスを通していろんなことを勉強しています。
むしろ手も足も出していないフランスやイタリアは、今回ほとんど無傷だと思う。アリタリアは言って見れば間に合わなかったということであり、それが北部同盟のわけのわからん航空会社に吸収されたのは痛恨の極みですが。日本の側からは常にEUと大きすぎる枠でとらえ方をしているのが、僕には本当に不思議でならない。経済をプロフェッショナルでやっている人間は、そんなに荒い物の見方はしないだろうに。
イギリスが大混乱なのにフランスが落ち着いているのを見ると、EUというまとまりを塊として見るのは完全に誤っていることを確認できて、むしろほっとするのです。
しかし、このままクラッシュし続けるとEUから一抜けた、というところが出てきそうですね。もっとも、一番大打撃のイギリスがそもそもEU経済の枠に入っていないから、そこまでいくものかとも思いますが。(正確にはEUには入っているけれどユーロには加盟していない。ややこしいよね、本当に。細かい貿易上の協定とか全く知らないし。)それにしても日本の新聞はその辺一緒くたにしており、そんなんで良いのかと思うのは僕だけか。
あまりマクロでものを見すぎると、細かいところは見えないものですね。
ところで今回の一連の騒ぎでプレミアリーグは大打撃だそうです。
優秀な選手たちよ、みなセリエAに戻ってくると良いと思います。
我ながら偏っていると思うが、どうしても今のイギリスは愛しにくい。だれかその理由を端的に説明してくれないかと思う。
アングロサクソンだからという理由は何とも古い下着を引っ張り出してはき違えたようなナショナリスト的発言であり到底受け入れ難いのですが、やはり何か最近のイギリスは狂っていたとしか思えないのです。
サッカー選手の移籍金に、頼むから5000万ユーロとか出さないでほしいと本気で思います。
とりあえず、地図的、金融的にいえばアングロサクソンの時代が終焉を迎えたという言い方は間違っていない様に思われる。
それは確認できることですね。
ラテン系の国に住んでいた人間としては、何かすごく納得のいくことなのです。
人間、そんなにイケイケでは生きていけないから。
物事を基本的に悲観的にしか見ない国に6年も住むと、誰でも少しはそうなる。あのイタリア人特有の暗さは、やっぱりエトルリアの時代からの蹂躙と再生の歴史から来ているんでしょうね。
すべての大理石の建物は、何某かの墓標のようだ。
特にポエジーを持たずとも、そう感じたものです。